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完璧主義について

完璧主義(パーフェクショニズム)とは、自分や他者に対して非常に高い基準を設定し、その基準を完璧に達成しなければならないと感じる思考や行動傾向を指します。


■ 完璧主義の主な特徴

特徴説明
高すぎる目標設定自分に対して達成困難な水準を求めがち。
失敗への過剰な恐れ小さなミスも「全てがダメ」と感じやすい。
自己批判が強い達成しても満足せず、「まだ足りない」と思う。
他者評価への過敏さ「評価されないと価値がない」と感じやすい。
避け行動完璧にできない可能性があると行動を避けることも。


■ 完璧主義がもたらす影響

正の側面負の側面
向上心が強く、成果を出しやすい不安、うつ、自己否定、燃え尽きなどのリスク
責任感が強く、信頼される人間関係でトラブルを抱えやすい
細部まで丁寧に取り組むいつまでも完成しない、時間管理が困難

■ 完璧主義への対処法

  1. 「ほどほど」を許す練習
     8割達成でOKとするなど、柔軟な基準を設ける。
  2. 失敗の再定義
     失敗は「学びの機会」と捉える視点に切り替える。
  3. 認知行動療法(CBT)
     非現実的な思考パターンを現実的に修正する。
  4. 他者との比較をやめる
     自分の進歩に注目し、他人基準ではなく自己基準で評価する。

完璧主義の親(パーフェクショニスト・ペアレント)は、自分自身や子どもに対して極めて高い期待や理想を持ち、それを厳格に守らせようとする傾向がある親のことを指します。これは善意から来ることも多いですが、子どもの心や成長に深い影響を与えることがあります。


■ 完璧主義の親の特徴

特徴内容
高い期待をかける成績・習い事・行動面などで「常に最上」を求める。
ミスや失敗に厳しい小さなミスにも強い指摘や失望を示す。
他人の目を気にする「○○さんの家の子は~」など比較が多い。
愛情が条件付き「ちゃんとできたら褒める」という評価ベースの愛情表現。
自己犠牲的になりやすい「子どものために自分は我慢するべき」と無理を重ねる。

■ 子どもへの影響

影響内容
自己評価の低下「完璧じゃない自分はダメだ」と思い込みやすい。
不安やうつ傾向常に「期待に応えなければ」と緊張状態が続く。
自己主張の低下自分の気持ちより親の期待を優先しやすい。
親と同様の完璧主義になる自分の子にも同じような期待をかけがちになる。
反発や距離の増加思春期以降、強い反抗や無関心につながることも。

■ 完璧主義の親が気づきやすいサイン

  • 子どもが「失敗を極度に恐れる」
  • 子どもが「完璧でないと不安・不機嫌になる」
  • 親自身が「人からどう見られるか常に気になる」
  • 家庭の中に「安心より緊張やプレッシャー」が多い

■ 対処・改善のヒント

  1. 「十分に良い親(Good Enough Parent)」を目指す
     完璧な親ではなく、子どもの成長を見守る「ちょうどよい距離感」を大切に。
  2. 無条件の愛情を伝える
     「できた・できない」ではなく、「いてくれてうれしい」と伝える。
  3. 子どもの失敗を肯定的に扱う
     「うまくいかなくても大丈夫。どうすれば次に活かせるか考えよう」と共有する。
  4. 親自身の完璧主義に気づく
     自分の「~すべき」思考に気づき、「本当にそれが必要?」と問い直す。
  5. 他の親と比べない
     他者との比較ではなく、子ども自身の成長に目を向ける。

完璧主義の親のもとで育つ子どもは、一見すると「しっかりしている」「優秀」に見えることがありますが、その内面には不安や自己否定感など、深刻な影響が潜んでいることがあります。


■ 完璧主義の親が子どもに与える主な影響

1. 自己肯定感の低下

  • 「できない自分は価値がない」と思いやすい。
  • 褒められることが少ない(達成しても「もっと上を目指せ」と言われがち)。
  • 「ありのままの自分」を肯定される経験が少ない。

2. 過度な不安・ストレス

  • ミスや失敗を極度に恐れるようになる。
  • プレッシャーから体調不良(頭痛、腹痛)や睡眠障害を起こすこともある。
  • 学校や習い事で「失敗=恥」という思考が強くなる。

3. 完璧主義の連鎖

  • 子ども自身も「完璧でなければ認められない」と信じ込むようになる。
  • 他人にも厳しくなり、友人関係にストレスが生じる。
  • 自分の子どもにも同じ期待をかけてしまう傾向がある。

4. 自発性・創造性の低下

  • 親の期待通りに行動することが最優先となり、自由な発想や冒険がしづらくなる。
  • 「失敗したくない」気持ちから新しいことへの挑戦を避けがち。

5. 感情表現の抑制

  • 悲しみや怒り、不安を表現すると「弱い」「甘えている」と見なされることがあり、感情を抑える癖がつく。
  • 結果として、心を閉ざしやすくなる。

■ よく見られるサイン

子どもの行動背景にある心理
些細な失敗でパニック評価を失う恐れ
自分を責め続ける条件付きの愛情体験
楽しめない「成果が出なければ意味がない」と考える
他人の視線を強く気にする常に“見られている”意識がある

■ 子どもを守るためにできること(親への提案)

  • 「頑張ったね」ではなく「やってみたね」と過程を肯定する。
  • 「失敗も大切」と口に出して伝える
  • 完璧を求める気持ちに気づき、「自分もゆるめる」姿勢を見せる。
  • 子どもが安心して話せる雰囲気を日常から作る。

完璧主義の親との関係は、子どもの心に深い傷を残す場合があります。
子ども自身が親になった時に、親と同じことをしてしまっている可能性もあります。
ご自分の親や、ご自分の子育てで当てはまるところがあるかもと思われた方、よろしければ一度ご相談ください。

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