なぎさ心理相談室|宇都宮の心理カウンセリング

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「強迫症の新しい治し方」録画を見ての質問の回答

岡嶋美代先生に、研修終了後/録画視聴後のアンケートでいただいた質問にお答えいただきました。
先生からのコメントです。

「皆様にひろくこのやり方をお伝えする機会を持てて良かったと改めて感じました。
とても簡単なように見えて、使っていくうちにケースごとの悩みが出てくるかもしれません。
その時には単独のスーパーバイズを受けるのもいいし、このような機会がまた企画されるのを待つのもいいですね。
私も導入に手間取る患者さんがいます。
そんな人には何か他の方法がないかと条件反射制御法、動作法、リラクセーション技法の色々や催眠療法、自我状態療法などなど
かじった治療をあれこれ提示して見ますが、結局、ここをクリアしていないと治らないなと実感しました。
これが必要な患者さんは概ねしつこい、頑固な方が多いので、
その頑固さに負けないで、提示してみてください。
きっと変化がじわじわと訪れますので、粘り強くやることが大事です。
平気でサラッと言えるようになる頃には、
こだわっていたことのバカバカしさが徐々にましているはずです。
来ていた質問の答えは以下の通りです。」

質問1.回数へのこだわりがある方への(例えば8の倍数回手を洗わないというこだわりがあり、8回を無事に終わらないとまた初めから手洗いをし始めてしまう方)言語的価値低減法は、最初から最後までどのタイミングでも、回数が気になった自分に気がついたら、自分への声かけをしつこく行う、という理解でよろしいでしょうか?
回答1.この場合、どんな文言にハイハイを言っているかがちょっと曖昧なのですが。。。回数にこだわるのは、「こだわらないと、◯◯が起こる」という前提があるはずなので、そのルールを崩していこうと思ってください。そして、「◯◯が起こるかもね、ハイハイ」「8回が無事に終わらなかったかもね、ハイハイ」「完璧さが足りなかったかもね、ハイハイ」などを言い続けるのは、どのタイミングでも構わないと思います。真剣な強迫行為に茶々を入れるイメージで使ってみてください。患者さん自身が自分の真剣さに「クスっ」と笑えるようになって欲しいです。実際に、患者さんたちは、やることが面倒くさいと言い始めます。

質問2.言語的価値提言法を臨床で行うにあたり、資格や研修歴など必要でしょうか。 また、先生がお示しくださったクライエントへの説明資料は、クレジットを明らかにすれば使用させていただくことは可能でしょうか。
回答2.こんなにカジュアルなものなので資格や研修歴など不要です。学会の発表を聞いただけでやってみたらうまく行ったと言ってくれる方もいるほどですので、大切なことは自信を持って伝えることくらです。侵襲性がないのでそれが一番のコツです。考えを変えているのではなく、態度(向き合い方)を変えるところを強調してください。資料の使用はかまいません。どこかで発表なさる時なども、岡嶋の資料を改変したと小さく書いてもらえれば、どんどん広めてください。よろしくお願いします。

質問3.言語的価値低減法は頭に浮かぶ「〜かも」という内言に対して「はいはーい」などと受け流す方法だと理解しましたが、「内言」ではなく「映像・イメージ」が頭に浮かぶことで不安になったり強迫行動に掻き立てられると訴える人がいました。この場合も同じように「はいはーい」といった受け流す方法でいいのでしょうか?
回答3.その内言もわざと「かも」を使って、曖昧さに慣れていくようにしてください。そして、例えば、ある画像が浮かんで「その画像を打ち消さないと◯◯が起こる」とか「イメージを良いイメージで操作しないと集中できなくなる」などの画像と結びついた何かの強迫観念があるかもしれないので聞いてみてください。あれば、それに対して、ハイハーイとやればいいでし、もし、そういうのがなければ、瞑想の練習を教示して、その画像に対する感情的な揺れ(びっくり、どっきり、ゾッと、ゲーッなどなど)から距離をとる練習を教示するといいです。

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