読み書き障害について
読み書き障害とは?
読み書き障害(ディスレクシア)は、文字を読む、書く、または理解するのが難しい神経学的な障害です。一般的な知能(WISCなどの知能検査で測ります)には、問題がありません。これにより、情報処理に困難を感じることがあります。
学校現場では「学習障害」「読み書き障害」などの言葉があまり広がっておらず、教師に理解してもらえない場合があります。低学年だと、「集中力がない」などと見られてしまうこともあります。
「読字障害とは神経学的な原因を背景に有する特異的学習障害である。それは、語の認識における正確さと流暢さの困難あるいは綴りと解読の障害により特徴づけられる。こういった困難は、概して他の認知能力や学級での有効な指導から予測されない言語の音韻的要素の欠損に基づくものである。
二次的な結果として、読解力に問題が生じるし、読み経験の不足からくる語彙と背景となる知識の発達に遅れが生じてしまう」(国際ディスレクシア協会の定義、小枝達也訳)
原因: 生まれつきの脳の構造や機能の違いが原因であると考えられています。
読み書き障害の原因として、現在のところ二つの原因が考えられています。
読み書きの発達に関連する主な要因:
音韻能力:単語内の音を認識し、操作する力
視覚認知力:図形の形態を把握し、覚える力
自動化能力:記号や意味から対応する音を素早く想起する力
語彙力
症状: 読む速度が遅い、書く際に文字を逆さに書く、漢字の間違いが多い、文章の理解が難しいなど。
読み書き障害の支援と対策
上記の「読み書き障害の発達に関連する主な要因」に書いた四つの要因によって、どんな支援・対策をしたらいいかが異なってきます。
まずは検査をして、どんな要因で読み書き障害が起きているかを判断しましょう。
教育的支援: 個別指導、音声化された教材、コンピュータ支援技術(例えば、音声認識ソフトウェア)など。
家庭でのサポート: 家庭での練習、支援的な環境を提供すること。
プロフェッショナルな支援: 臨床心理士(公認心理師)や言語聴覚士、理学療法士、教員などによる評価とアドバイス。
テクノロジーの活用: 読み書き支援ソフトウェア、電子書籍、オーディオブックなどの利用。
役立つリソース
- カラフルバード 学習障害(LD)の子どもたちのために、様々な情報を集めて提供されているサイトです。各自治体の情報、LDの子どもたちを支えるためのいろいろな手段、知るための本や動画などの紹介、合理的配慮の事例など、とにかくたくさんの情報があります。お子さんが学習障害かもしれないと思われた方、学習障害を疑っている方など、ぜひまずはこちらをご覧ください。
- 井上賞子先生のnote 特別支援教育をされていた井上賞子先生のサイトです。学習障害や学習につまずきを持つ子どもたちへの支援のアイディアがいっぱいです。いつも参考にさせていただいています。
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どんなことができるかを一緒に考えてみたいと思います。