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不登校

不登校をめぐる問題について

不登校をめぐる問題が、このところいろいろなところで取り上げられています。(Yahoo!ニュースでまとめられたこの記事を読まれると、内容がよく分かるかと思います)

この問題の当事者である不登校の再登校支援メソッドを謳っている支援団体については、私はちょっと前から疑問を持っていました。
私は子どもが不登校だったこともあり、不登校に関する記事をたくさんTwitter(現在のX)で共有していました。そのことで目をつけられたのか、フォローされたことがあります(逸高等学院を運営されていたころの話です)。
そのころから代表の方には、ビジネス臭のする人だという感覚を持っていました。

今回の件で、私が問題だと考えることはいくつかあります。
1.子ども本人を相手にしていないこと
不登校になっているのは子どもです。その子どもに働きかけず、本人の意思を確認せず、何をしようというのでしょうか。学校でどんなことがあったのかを本人に確認せずに、ただ親だけに再登校に向けた動きを促すのは、本人の権利を尊重しているとは言えません。
2.短期間での再登校を目指していること
文部科学省は、不登校生徒の学校への再登校だけを目指しているわけではない(平成29年の文部科学省の決定事項で「登校という結果のみを目標とするのではなく(中略)、社会的に自立することを目指す必要がある」という方針が挙げられています)のにも関わらず、こうした方針は現場である市区町村の教育委員会には届いていないのか、再登校を目指す団体との連携が決定されています。
3.いわゆる「不登校ビジネス」に行政がお墨付きを与えることになる可能性があること
今回取り上げられた会社は、高額な報酬を得てサービスを提供しています。不登校界隈では、とにかく公的な支援が全く足りていないため、不登校児の親たちは高額なお金を支払わないといけないことが非常に多くなります。
例えば私の場合、公的な適応指導教室に行くには何度も面接に通わないといけないため難しく、高額のフリースクールに通わせないといけませんでした。高校も、公立の通信制高校がないため、費用のかかる私立の通信制高校に行かせるしかありませんでした。
フリースクールは、学校法人としての認可は必要なく、誰でも勝手に始めることができます。子どもが学校に行けなくなって不安がっている親を相手にするのは、簡単なことでしょう。私は少ない数のフリースクールの中で、それなりに選んだつもりでフリースクールを決めましたが、もっといい選択肢があったんじゃないかという思いは消えていません。私たち不登校児の親たちは、いいカモなんだろうと本当に思います。

現在もこの問題は公開質問状が出されており、今後の進展が待たれています。私も興味を持って追っていこうと思います。

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