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不登校の原因と対策?

不登校の原因と対策?

今回のブログのタイトルは「不登校の原因と対策?」です。
どうして「?」がついているのでしょうか。

「不登校になるのには、何か原因があるはずだ」「原因を解決したら、学校に行けるはずだ」
こういった考えが、現在もまだ主流のように感じます。
けれど、本当にそうでしょうか。
何か原因があるから、不登校になるのでしょうか。
原因が解決すれば、不登校でなくなるのでしょうか。
私はそこに疑問を感じています。
原因は一つではなく、たくさんの要因があって、苦しくなって、つらくなって、行かなくちゃいけないと分かっているけれど行けなくなる。

毎朝学校に通っていた子どもが、ある日突然学校に行けなくなったら。お腹が痛いと言って行きたがらなくなったら。病院に連れて行っても、特に異常がなかったら。

子どもの不登校は突然起こります。親に心構えがないのは当然のことです。親の気が動転するのも当たり前のことです。

多くの場合において、原因は一つではないし、たとえ原因が一つだったとしても、それを解決したら学校に行けるようになるのかというと、そうではないと思います。
原因を考えるよりも、まずは他にするべきことがあるのではないかと思います。

「不登校 親子のための教科書」という本の中に、こんな記述が出てきます。

「『原因はわからないと言っても、多くの子どもたちは毎日通えている…。やはり、うちの子に何か原因があるのでは?』
そう考えてしまう親御さんも、多いかもしれません。
それでも私たちが伝えたいのは『不登校は子ども自身のせいではない』ということ。」

「『子どもが学校に行けないのは、私の育て方のせい?それとも先生のせい?誰が悪かったの?』など、犯人捜しをしすぎないようにしてほしいです。
(中略)
あくまでも本人の特性と、環境的要因、社会的要因のかけ合わせの結果であることを、知っておいていただけたらと思います。」

不登校の現状

文部科学省が2023年10月4日に発表した、「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、小・中学校における不登校児童生徒数は29万9048人。前年度から5万4108人(22.1%)も増加し、過去最多となりました。小・中・高校などで認知したいじめ件数も過去最多の68万1948件となっています。
不登校の内訳は、小学校が10万5112人(前年度比29.0%増)、中学校が19万3936人(同18.7%増)。10年前と比較すると小学生は3.6倍、中学生は2.1倍増となっています。しかし、不登校の数にカウントされるのは、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」なので、行き渋りといわれる子どもたちも含めると、実際はもっと多くの学校にいけない子が存在しているはずです。
特に中学校では、100人中6人が不登校である数字になっています。一クラス33名のクラスが3学級ある学年であれば、3クラスで6人不登校生徒がいる計算になります。それも正式に「不登校」とされている子どもの数です。実態はもっと大変なことなのだろうと分かります。

不登校の原因?

子どもが学校に行けなくなったら、「一体何が原因だったんだろう?」親ならば誰でもそう考えます。
不登校の原因はさまざまで、学校へ行くことができない精神的な理由や、学校環境に適応できないと感じる社会的な理由、学習上の困難や体調不良など様々です。理由が分からない場合もたくさんあります。理由が分かってそれが解決できたとしても、学校に戻ることは難しい場合もあります。

「学校には行かないといけない」
「学校に行かないと、勉強で遅れてしまう」
「不登校になったら、この子の人生はどうなるんだろう」

こういった思いは、親なら誰でも持っていると思います。
けれど少し冷静になって、考えてみてほしいのです。
今、すぐに学校に戻れることがこの子どもにとって必要なことでしょうか。
もちろん、なるべく早く学校に戻したいという気持ちはわかります。
けれど、「急いては事を仕損じる」と言うように、焦って問題を解決しようとしてもなかなかうまくいかないかもしれないと思います。

例えば、将来子どもにはどんな風になっていてほしいですか?
どんな仕事についていてほしいですか?
そういった仕事に就くために、今本人ができることはどんなことでしょうか?

少し先の未来を描いてみましょう。
どんな大人になっていてほしいか。
ちょっと遠くの未来を描いてみると、少し気持ちに余裕ができるかもしれません。

そしてまずは、そこにいる子どもの状態に目を向けましょう。
どんな顔をしていますか?
どんな表情ですか?
昨日と比べて、どう変化していますか?
どう変化していってほしいですか?

不登校への対応

前の日には「行く」と言っていたのに行けないと、「昨日は行くって言ったのに!」と怒りがわくかもしれません。けれど、子どもにとっては前の日に「行く」ということができたのです。それまでは、学校のことを考えることもつらかったかもしれません。

スクールカウンセラーとして12年勤務されたことのある掛井一徳さんはこう仰っています。

『不登校の子どもが学校に行くことをイメージして、実際に行けるようになるまでにはこれだけの段階があると想定してみてはどうでしょうか。
1「想像するのも無理な段階」・・・考えなくて済むようにひたすら何かに没入
2「想像はできるけど言葉に出せない段階」・・・一人であれこれ考えて悶々
3「言葉に出せるけど行動できない段階」・・・夜に行くというが朝は無理
4「言葉に出さずとも行動に出せる段階」・・・しれっと学校に行く
3「言葉に出せるけど行動できない段階」・・・夜に行くというが朝は無理』

また、こうも言われています。
『玄関までは行くけど学校の中に入れない子どもについては、本人がちょっとでも躊躇したらすぐに帰るということが大事である』、『子どもの元気を無駄に消費せず、しかも子どもの「あんとき行っておけば~」という悔しい気持ちをためていく作戦である』

もちろん、学校との連携も重要です。子供が不登校であることを学校関係者ときちんと共有することは、問題解決のための第一歩です。子供の学校生活における悩みや困難を把握し、学校側と家庭側が協力して解決策を見つけることが重要です。

とはいっても、担任からのプレッシャー、きついですよね。学校への連絡も、つらいですよね。
学校によって対応は変わってきます。けれど、もし本当に毎日、学校に連絡するのがつらいようであれば、「行けそうなときに連絡をするのでもいいですか?」と担任(もしくは他の教員でも、親御さんが相談しやすい方でいいと思います)に相談してみてもいいと思います。

専門機関の利用

1.公的機関

教育センター(教育相談所/研修センターなど、地域によって呼び方が変わります)
子どもが不登校になった時、まず相談を考えるのはここかもしれません。
学校復帰についての情報は豊富に持っていますが、フリースクールなど民間の居場所についての情報は少ないかもしれません。

スクールカウンセラー
今は小中学校にほぼ全校配置されているようです(小学校で94.2%、中学校で98.3%)。
ただし小学校では勤務時間が短く、週に四時間以内、月に一回程度というところも多いようです。また、数年で転勤になってしまうことが多く、相談の途中で交代になってしまうこともあるようです。

児童相談所
児童相談所で対応している相談の内容に、不登校も含まれています。
児童福祉司や児童心理司が相談をお聞きします。

こうした公的機関では、無料で相談ができるのがよいところです。

2.公的ではない機関

・フリースクール
「一般に、不登校の子供に対し、学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間の施設を言います。その規模や活動内容は多種多様であり、民間の自主性・主体性の下に設置・運営されています。平成27年度に文部科学省が実施した調査では、全国で474の団体・施設が確認されました。」(https://www.mext.go.jp/march_lion/torikumi_futoukou.htm 文科省の取組より)
フリースクールについては、法的な事柄は何も決められていません。料金や主催者など、分かりづらい団体もあるかと思いますので、通う前にしっかり確認することが大切です。
まずは数回通ってみて、本人との相性を確かめてみるとよいでしょう。

・医療機関
病院にかかる必要があるのは、頭痛や腹痛などの身体症状が出た場合になるかと思います。
かかりつけの小児科から、総合病院の小児科、児童精神科、精神科、心療内科が考えられます。
児童精神科は、中学生以下の児童生徒の対応をします。
精神科と心療内科の違いについては、こちらの記事をどうぞお読みください。
夜眠れないなど、何かしらの症状がある場合、病院に行ってみることが役に立つかもしれません。

・不登校の親の会
親御さんが子どもの不登校を受け入れていくためには、同じ経験をした(している)保護者との交流が役に立つかもしれません。
当サイトのリンクのページには、不登校の親の会についてのリンク(「たより」「未来地図」)が載っています。
今はオンラインの親の会もありますので、まずは話を聞くだけでも始めてみてはいかがでしょうか。

カウンセリングの重要性

不登校の子供にとって、カウンセリングは非常に重要な支援手段です。カウンセリングでは、専門家が子供の心の内を受け入れ、適切な支援やアドバイスを行います。まずは子供が自分の気持ちや悩みを言葉にできるよう、カウンセリングルームは信頼できる空間となります。子供は自分の感情や思いを整理し、表現する機会を得ることができます。

さらに、カウンセリングを通じて子供は自己理解を深めることができます。自分自身の感情や行動を客観的に捉え、問題解決に向けたアプローチを身につけます。また、カウンセラーは子供の心のサポートを行うだけでなく、保護者や教育関係者との連携も行います。子供の心理状況やカウンセリングの進捗について、適切な情報提供やサポートを行うことが重要です。

不登校の原因や背景には複雑な心の機微が関わっています。それらを理解し、子供が健やかな心を取り戻すためには、専門的なカウンセリングが必要な場合もあります。もちろん、そうでない場合もあります(私の娘も不登校でしたが、誰のカウンセリングも受けずに元気になり、今は楽しく通信制高校に通っています)ので、お母さんお父さんが迷われているときは、まずはご相談されてみるとよいかもしれません。
なぎさ心理相談室では、まずはメールでの相談からで大丈夫ですので、お気軽にメールを送っていただければと思います。

まとめ

不登校の問題は単純なものではありません。子供が学校に行きたがらない理由には様々な要因が絡み合っています。精神的な問題や適応困難、学習上の問題などがその例です。親や関係者は子供としっかり対話し、その気持ちや状況を理解することが肝要です。専門家の助言や学校との連携も有効です。一人ひとりのケースに合わせた支援が必要で、決して無理に押し付けることはせずに、共に問題に向き合い、対処していく姿勢が求められると思います。

引用:
〇掛井一徳「【不登校】昨夜は学校に行くって言ってたのに朝になるとなぜかいけなくなる問題」

【不登校】昨夜は学校に行くって言ってたのに朝になるとなぜかいけなくなる問題


掛井一徳さんは、他にもYouTubeでたくさんの動画を載せています。よろしければどうぞ。
〇今村久美「不登校ー親子のための教科書」ダイヤモンド社、2023年

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